パソコン仕事で息が止まってない?「スクリーン無呼吸症候群」を防いで仕事の効率を上げよう

カラダの使い方

先日、私のタイピング講座の受講生さんから

「タイピングしている時に、息をしていないことに気づきました」
というご報告をいただきました。

この方のように、パソコン仕事中に呼吸が浅くなったり、止めてしまう症状は
「スクリーン無呼吸症候群」と呼ばれています。

「スクリーン無呼吸症候群」は一種の”癖(くせ)”ですが、
呼吸が浅くなったり、止まってしまうことによって
自律神経のバランスが乱れ、体に悪影響を及ぼします。

そこで今回は「スクリーン無呼吸症候群」を防ぐポイントについて解説します。

「スクリーン無呼吸症候群」とは

スクリーン無呼吸症候群(Screen Apnea)とは、スマートフォンやパソコンの画面を見ている最中に、
無意識のうちに呼吸が浅くなったり、何秒か息を止めてしまう症状のことです。

AppleやMicrosoftの役員を経験したことがある、コラムニストのリンダ・ストーン氏が、
自身がメールをやりとりしている最中に呼吸を止めていることに気づき、 2008年に記事にしたことで話題になりました。
リンダ・ストーン氏が行った調査では、パソコン仕事をする人の約80%にこの症状が見られたそうです。

「スクリーン無呼吸症候群」の弊害

呼吸が浅くなったり止まってしまうと、体に取り込む酸素が足りなくなります。
その結果、心臓に負担がかかり、体内にコルチゾールというストレスホルモンが増えます。

コルチゾールが体内に増えると、不眠症やうつ病、生活習慣病など、
ストレス関連の病気につながるケースが多くなると言われています。

・仕事が終わるとドッと疲れる
・パソコンを長時間触れていると、なぜか嫌な気分や不安な気持ちになる
・頭がすっきりしない感じがして、仕事がはかどらない

というように「スクリーン無呼吸症候群」は体調が悪くなったり精神的に不安定になりがちに。
その結果、仕事の効率を下げてしまうことも。

「スクリーン無呼吸症候群」の大きな2つの要因

パソコン仕事中に呼吸が浅くなったり止まってしまう要因として、

・パソコンに向かう姿勢が悪い
・長時間ブルーライトを見る

という大きな2つの要因があげられます。

パソコンに向かう姿勢が悪い

パソコン仕事をしているときは、姿勢が前のめりになりがち。
そのため多くの人が知らぬ間に「猫背」になっているのです。

猫背になると肺が圧迫されてしまうため、呼吸が浅くなったり止まったりしやすいのです。

アメリカのある研究機関のデータでは、猫背で座っているときは、
立っているときに比べて肺活量が最大で30%ほど減少するとのこと。

肺活量が少なくなると、呼吸が止まっていても気づきにくくなり、
「スクリーン無呼吸症候群」になってしまうのです。

長時間ブルーライトを見る

ブルーライトは太陽から放出されている紫外線の一種で、人間の脳を覚醒させる働きがあります。

人間の体内時計は25時間と言われていますが、朝起きて、太陽から放出されるブルーライトを浴びることで、
1日24時間との1時間のズレを調整し体内時計を整えているのです。

そのブルーライトはスクリーン画面にも含まれています。
そのためスクリーンを長時間見つめていると、脳が興奮状態になり体が戦闘状態に入ります。

その結果、心拍数が上がり、呼吸が浅くなってしまうのです。

「スクリーン無呼吸症候群」を改善する方法

前述したコラムニストのリンダ・ストーン氏が行った調査では、パソコン仕事をする人の約80%に「スクリーン無呼吸症候群」が見られましたが、症状が起こっていない残りの20%の人は、ダンサーやミュージシャン、トライアスロンなどの激しい運動をする人達だったそうです。

この結果から、体を動かし、呼吸法で感情やエネルギーをコントロールできれば
「スクリーン無呼吸症候群」にはならないと言えそうです。

日々パソコン仕事が必須の私たちでも、ちょっとした習慣を身につけることで、
体を動かし、呼吸法で感情やエネルギーをコントロールできるようになりますのでその方法をご紹介します。

自分の呼吸を意識する

「スクリーン無呼吸症候群」は一種の”癖(くせ)”なので、自覚している人は少ないと言えます。
でも、私のタイピング講座の受講生さんのように、自分が「息をしていないときがある」と気付いたら、
パソコン仕事中の呼吸を定期的に意識してみるといいでしょう。

例えば、メールを読んでいるとき、調べ物をしているとき、入力作業をしているときなど、
「今、呼吸を止めていなかったか?」
と呼吸に意識を向けて、呼吸を止めてしまいがちな場面をメモしておきます。
そして、それらの場面で必ず深呼吸するようにしましょう。

アプリを利用する

パソコン仕事中に、自分の呼吸が浅いかどうかなんて気にしていられないよ!という方にはアプリの利用をおすすめします。
スマホのアプリには呼吸がきちんとできているのか、緊張しすぎていないかなどを計測できるものがあります。

また、Apple Watchには手首をトントンと刺激して、深呼吸する時間を定期的に知らせるリマインダー機能があったり、
心拍数をチェックして過度な緊張がないかをチェックしてくれる機能があります。

便利なアプリを呼吸を含めた日々の健康管理のために利用するというのもいい方法ですね。

こまめに気分転換や休憩をする

最近、スタンディングデスクを取り入れる企業が増えています。
これは、座って使うデスクと立って使うデスクを準備することで
仕事中に立ったり座ったりできるような職場環境を作る取り組みです。

たまに立ってパソコン仕事をすることで血流が良くなり、眠気も覚め、
集中力が増して仕事の生産性が上がると言われています。
立つことで猫背の改善にもつながります。

また、アメリカ眼科学研究所の代表であるラウル・クラナ氏によると、
目の疲れ予防のためには「20-20-20ルール」というのが効果的だそうです。

「20-20-20 ルール」というは”20分毎に20秒間20フィート(約6メートル)先のモノを見る”ことです。

これだけで目は十分な休息をとれるのだとか。
これなら仕事中も実践できますし、試してみる価値はありそうですね。

デジタルデトックスを習慣にする

定期的にデジタルデトックスをするのもオススメです。
デジタルデトックスとは、スマートフォンやパソコン端末などのデジタルデバイスと距離を置く時間を作ることです。

スマートフォンやパソコンは全て電源を切るか、違う部屋に置いておき
「1時間は絶対にスクリーンを見ない」
など、時間を決めて実行しましょう。

デジタルデトックスをしている間は、深呼吸をしてしっかり休憩をしてください。
仕事をしている間にできない場合は休日を利用するのもいいでしょう。

まとめ

「スクリーン無呼吸症候群」は、パソコンに向かう姿勢が悪いことと長時間ブルーライトを見るという大きな2つの要因で起こります。

また、パソコン仕事だけではなく、スマートフォンを見ているときや、SNSなどを娯楽として使っている時にも「スクリーン無呼吸症候群」は起こるので、誰もが経験する可能性があります。

早く仕事を終わらせようと頑張りすぎて「スクリーン無呼吸症候群」になってしまっては逆効果。
時々の休息も大事な仕事の効率ワザ・時短ワザのひとつですね。

目・肩・腰が痛い!パソコン操作で疲れ知らずの座り方とは!?

Okafuku Mei

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